うつろひ |
遷居 |
01. 住所録
作詞・作曲:さだまさし / 編曲: 服部克久
住所録を替える度 消さねばならない人がある
忘れるはずもない人を 忘れるために消してゆく
古いノォトを捨てたなら 想い出までも捨て去るようで
捨てたふりしてひきだしの 二度と開けない場所に置く
空で覚えたあの人の
住所と癖のある文字で
「元気ですか」とある日突然
手紙が届く
来るはずのない人からの 手紙の中身は知っている
自分で書いた戯れの 少し哀しい一人遊び
指が覚えたダイヤルを
夜中にそっと廻してる
昔の合図を忠実に守り
二度鳴らしてまたかけて
出てくれるはずもない人の 部屋で私のベルが鳴る
それだけで胸が高鳴って 息を殺した一人遊び
出てくれるはずもない人が もしもふいに出た時には
間違えましたと 切ればいい
間違えましたと 切ればいい |
01. 通訊錄
中譯:Orika
每次換通訊錄的時候 都有一些非刪去不可的人
為了忘卻 不可能忘記的人 而逐一刪去
丟掉了舊筆記本 希望連回憶也一併抛捨
假裝已經丟掉 卻擱在抽屜深處 不再重啟之處
覺得空虛的那個人
寫上自己的住址和帶有個人風格的文字
「你好嗎?」 某一天突然
捎了信來
來自不可能來信的人 我知道信中的內容
自己寫信給自己的戲碼 些許悲哀的獨角戲
手指再熟悉不過的電話號碼
深夜悄悄撥動轉盤
忠實地信守著過往的暗號
響了二次 然然再打過去
打給一個不可能接電話的人 我的房間裏電話即將響起
單是這樣就內心澎湃 屏息進行的獨角戲
不可能接電話的人 如果真的意外接了電話
"對不起打錯了" 掛掉就好了 "對不起打錯了" 掛掉就好了 |
02. 鳥辺野
作詞・作曲:さだまさし / 編曲: 服部克久
寂しいからとそれだけで来るはずもない 鳥辺野
山道をゆけば 散り急ぐ様に
遠近に寒椿の紅 道を照らす春まだき
風景自身が 淋しがってるから
ひとこまに身を置いただけで 自分が救われる
風はさや 風はさやさや
竹はゆら 竹はゆらゆら
振り返るより速く あなたは立ち去っていた
人の心移ろい易く その傷癒え難く
立ち止まって うろたえるは
愛と同じ重さの 悲しみ
木立の間に間に 埋もった枯葉
そんな風にあなたと私の それぞれの記憶の中で
お互いの事が やがて薄れてく
そこここに散りばめたはずの 真実までかすませて
夢はさや 夢はさやさや
嘘はゆら 嘘はゆらゆら
すれ違うより速く あなたが遠ざかってゆく
前のめりのまま 無造作に投げ出された愛が
季節に追われ ころんだまま
野晒しになっている 鳥辺野 |
02. 鳥邊野
中譯:Orika
倒也非關寂寞亦非為此而來的 鳥邊野
沿著山徑漫步 彷彿急於凋零似地
遍地寒山茶的艷紅 輝映著路面的早春時節
因為風景本身 感到寂寞
而藉由置身於此情此景 己身亦將得到救贖
風蕭颯 風蕭蕭颯颯
竹晃悠 竹晃晃悠悠
比起回首顧盼更倉促地 你急急起身離去
人心易變 其傷難癒
為之裹足不前的倉皇失措是
與愛同等重量的 哀傷
隨著林野叢間 飄然埋葬的枯葉
就那樣你我 淹沒在各自紛飛的記憶中
彼此間有過的種種 轉瞬涼薄
就連理應繽紛鑲綴的 真實也隨之模糊
夢蕭颯 夢蕭蕭颯颯
謊晃悠 謊晃晃悠悠
比起錯身而過更急促 你早已漸行漸遠
就這麼朝前倒去 遭人草率抛捨的愛
被季節追趕著 撲跌在地
最終曝屍荒野 鳥邊野
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03. 第三者
作詞・作曲:さだまさし / 編曲: 服部克久
死んだ珈琲 挾んだままで
外の信号の変わる数を
テーブルに映る 黄色で数えて
ついでに想い出も数えて
忘れかけてた 君の癖が
こんな時にふと目についたりして
懐かしいものと 出会った気がして
笑ったら君は怪訝な顔をする
もう 明日は第三者
信じるものさえも 違う異教徒になる
一度は 同じものを信じた
二人が奇妙にも 見知らぬ人になる日
車のライトが 時折横切る
前髪の奥の君の瞳には
既に僕の 姿は消えて
蝋燭の赤だけが揺れてる
隣の席の 笑い声が
幾分僕等に気兼ねをして
やがてこの店の 最終注文を
尋ねる時間が訪れる
最后の 御注文はいかが
お二人に似合いの デザートはいかがですか
表は 季節の替り目の
雨が降り始めて 音楽がやがて止まる
もう 明日は第三者
最后の注文は何かありませんか
もう 明日は第三者
最后の注文は |
03. 第三者
中譯:Orika
隔著桌上死去的咖啡
以一遍遍映照在桌上的黃光
數著窗外紅綠燈的變換次數
數著順道湧現的回憶
幾近遺忘的 你過去的習慣
這種時候卻驀地映入我的眼簾
感覺重遇過往懷念的事物
我不覺笑了 你露出詫異的表情
明天 已成了第三者
連信仰的東西也變得迥然不同的異教徒
曾經一度 相信同樣的事物
兩人奇妙地 淪為陌生人的日子
窗外車燈有時橫掠而過
在你瀏海深處的那對眼眸之中
我的身影既已消失
徒留蠟燭的紅艷搖曳著
隣座的笑聲
多少有些顧忌著我們
再過不久這家店 尋問最後點餐
的時間就要到來
請問您最後要來點什麼呢
要不要來點適合兩人的甜點呢
表面是 季節的交替
雨開始下了 音樂再不久就會停止
明天 已成了第三者
最後一道餐點還有什麼呢
明天 已成了第三者
最後一道餐點是... |
04. 邪馬臺
作詞・作曲:さだまさし / 編曲:服部克久
盲いた詩人はいつも ザボン口に運び乍ら
想い出たどる様に 見えない目を開いて
静かに海を観てた
幻の国の事を まるで故郷を語る様に
道程について 風景について
優しく僕に話した
有明の空の雲だけが
あの人の寂しさを知っていた
そう弥生の風に 追われる様に
あなたが逝った 晩に
眠れないまま息を密めて
不思議な夢を観た
雲仙は噴煙を吐いて 霧は針摺瀬戸を包み込んで
異国の便り乗せた 小さな舟がひとつ
静かにすべってくる
盲いた詩人がひとり その小舟に座っている
得意の笑顔みせて はにかむ様にじっと
静かに海を観てる
有明の海に風が吹く
あの人を追いかけて夢が吹く
ああ悲しい程に 焦がれ続けた
幻の人が 今
きっとあなたを抱きしめている
不思議な夢を観た |
04. 邪馬臺
中譯:Orika
盲眼詩人總是 口中一邊嚼著柚子
彷彿在腦中尋索著回憶一般 睜著看不見的眼睛
靜靜地望著大海
對於遠古傳說國度的種種 宛如在講述家鄉點滴一般
路程如何如何 風景如何如何
溫柔地對我娓娓道來
唯有殘月曉空的雲朵
才能知曉那人的孤寂
然而猶如被陽春三月的微風追逐似地
您溘然長逝 那一晚
夜不成眠 隱匿起氣息
做了個不可思議的夢
雲仙岳吞吐著噴煙 霧氣籠罩了針摺瀨戶
滿載著異國的消息 一艘小小的船
靜靜地朝我划來
盲眼詩人獨自一人 坐在那艘小船上
露出得意的笑容 有些靦腆地
凝神靜靜望著大海
有明之海 海風徐徐吹來
吹拂那個人追到一半的夢想
如此悲傷地 不斷急切追尋著的
幻想中人 此時此刻
肯定緊擁著你
正做著不可思議的夢 |
05. 肖像画
作詞・作曲:さだまさし / 編曲:服部克久
白いキャンバスにひたすら 僕は自分を描いた
並べた絵具と指先で 服を染め乍ら
君は編物の向うで 僕を疑いもせずに
優しい光の様にいつも微笑んでた
あなたは 自分の信じたとおりに
思い切り 自分を描いてください
私はただその背中を見ているだけで幸せだから
世界一の自画像 描き上げて下さいと言った
そんな君の美しさに 僕は気付きもしないで
あやうくかけがえのないものを 見失なおうとしてた
何を描いたかではなく 如何にして描いたかの
道程が君と僕にとって大切だと気付いた
今日から 二人の信じたとおりに
思い切り 二人を描き始めよう
だから君は変わらぬままその笑顔を僕にください
世界一の肖像画 描き上げるその時まで |
05. 肖像畫
中譯:Orika
我在白色畫布上一心一意地 描繪著自己
一邊用指尖將成排的顏料 沾染上衣服
你坐在那頭織著東西 對我毫無疑心
像道溫柔的光芒一樣 臉上總是掛著笑容
"請照著自己所相信的那樣
盡情地描繪你自己
我光是望著你的背影就覺得好幸福
請完成世界第一的自畫像吧" 你說
你是如此的美麗 我卻沒有意識到
險些差點錯失無可替代的東西
問題不是要描繪什麼 而是究竟該如何描繪
我覺得過程對你我來說才是最重要的
從今而後 我要照著我倆所相信的那樣
盡情地開始描繪我們兩個人
所以請你為我保持不變的笑容
直到世界第一的自畫像畫好為止 |
06. 昔物語
作詞・作曲:さだまさし / 編曲:服部克久
あの頃いつもお前と俺と あの娘の三人は
酒を飲むのも授業の時も 旅をするのも一緒に居た
安保の年はわからぬくせに 人並にデモったりして
催涙ガスと水でぐしょぐしょの 顔で怒ったりもしていた
キラキラしてたな俺たち 一所懸命だったな
貧しいけれども酒と音楽と 希望にはことかかなかった
あの頃俺はあの娘がすきで あの娘はお前に惚れていて
お前は別の女に夢中 そんな不思議な親友だった
覚えているか卒業間近の 大雪の降った日に
三人してヤケ酒を飲んで 泣きながら歌ったあの唄
あの晩俺はあの娘にふられ あの娘はお前にふられて
お前は別の女にふられ 三人で慰め合った
あれから十年が過ぎて 俺もお前も嫁を貰って
あの娘はこの春二人目の こどもを産んだと聞いた
久し振りにこうしてお前に 手紙を書いたのは
今度東京へ出てゆく時に 一緒に飲もうと思って
あの頃みたいに三人で 十年の時間持ち寄って
泣きながら歌えたらいいね 思い出のあの唄を
泣きながら歌えたらいいね 懐かしいあの唄を |
06. 昔物語
中譯:Orika
那時候你總是跟我 還有那女孩三個人
無論是喝酒啦上課啦 或是旅行都膩在一塊
那是安保鬥爭的年代 雖然也不是很懂 也跟著人群一起示威
也曾在催淚瓦斯和水交相齊飛中 以濕淋淋的臉橫眉怒目
那時我們真的是活得光輝燦爛 孤注一擲活得拼命啊
雖然窮歸窮 美酒啊音樂啊還有希望倒是不虞匱乏
當時我喜歡那女孩 那女孩卻迷戀著你
你則對其他女孩著迷 就是有著這麼不可思議關係的摰友
你還記得嗎 臨近畢業前夕 一個大雪紛飛的日子
三個人一起喝著燒酒 一邊哭著高唱的那首歌
那一晚我被那女孩給甩了 那女孩被你給甩了
而你則被別的女孩給甩了 三個人互相安慰彼此
那之後已過了十年 我和你都娶了老婆
至於那女孩聽說今年春天 就要生第二胎了
好久沒有像這樣子寫信給你了
這次你來東京的時候 想跟你作伙喝一杯啊
就像那個時候我們三個人 把十年的光陰湊一湊
一邊大哭一邊高歌該多棒啊 回憶的那首歌
一邊大哭一邊高歌該多棒啊 懷念的那首歌 |
07. 明日檜
作詞・作曲:さだまさし / 編曲:服部克久
息を殺して会わねばならない人
その風景は
廻り道などない まるでぬかるみ越しの
袋小路のゆきどまり
本音だけでは生きられるはずもなく
でもかといって
使い分ける程に 器用でもないから
自然に秘密が増える
★ あすなろ あすなろ いつまでたっても
あすなろ あすなろ 明日が見えない ★
誰の心も傷つけずに済む道が
あるとすれば
自分がもの言わぬ 石ころになること
それしか思いつかない
どんなものにも表と裏があると
気付いた時
初めから駄目だと 判ったはずれくじ
引くのに慣れてしまってた
★ Repeat
あすなろ あすなろ いつまでたっても
あすなろ あすなろ 幸せが見えない |
07. 明日檜
中譯:Orika
必須屏息以待非見不可的人
那樣的光景
並非迂迴的遠路 而彷彿是越過泥濘
走向死胡同的盡頭
光憑真心話是不足以活在人世間的
話雖如此
真心話是越用越不管用
秘密也就自然地越來越多
★ 明日檜 明日檜 無論再過多久
明日檜 明日檜 都看不到明日 ★
假設有一條路
是只要不讓任何人傷心就行了
我卻只能預見
自己會變成一顆無法言語的小石子
當我發覺到
所有事情都有表裏之分的時候
打從一開始 就抽到"絕無可能"判斷失準的籤
後來也慢慢習慣了
★ Repeat
明日檜 明日檜 無論再過多久
明日檜 明日檜 都看不到幸福 |
08. 分岐点
作詞・作曲:さだまさし / 編曲:服部克久
昔の恋人 僕を呼びつけて
また例によって 失恋話
普段は全く 音沙汰も無しに
何処かの誰かと 別れる度に呼び出す
悲しい時には お腹が空く性質で
それも決まって ミートパイとソーダ水
それを泣きつ怒りつじっと頬張ってる
ごめんね いつも泣き顔ばかりで
でも喰べかけのミートパイ じっと見てると
いわゆる 条件反射なのよね
ぼっとしたあなたの顔見たくなる
そんな憎まれを 叩いて2杯目の
ソーダ水飲み干して やっと笑ったね
寂しがり屋なら みんなそうだけれど
会う度に君は おしゃべりになってゆく
愚痴に飽きたなら 想い出話をする
しかも僕とほかの 誰かをごちゃ混ぜにして
何だかんだと 永いつきあいになる
それもほとんど ミートパイとソーダ水
まるでどちらに会いに来るのやら
けれども ふと気がつけばこうして
君の大事な分岐点には 必ず僕がいる
お互い 歳を重ねた分だけ
あの頃よりもずっと身近に居るね
可笑しなもんだね もしかしたら君と
出直せるかなんて 今思ってる |
08. 轉捩點
中譯:Orika
從前的戀人 召喚我出去陪她談心
照例又是 另一段失戀的故事
平常沒事的時候 都是音訊全無
只有不知在哪和誰分手時 才會把我叫出來
每當傷心的時候 就會肚子空空的特性
倒也成了慣例 一定點肉餡餅和蘇打水
一會兒大哭一會兒發火 一邊大口大口直吃
"不好意思呢 老是讓你看到哭泣的臉"
你說是這麼說 眼睛卻直直盯著吃了一半的肉餅
這就是所謂的條件反射吧
我也變得喜歡看到你發呆失神的臉
為了擊潰心中的百般怨恨
一口喝乾第2杯蘇打水 好不容易才破涕為笑
到底是怕寂寞的人啊 雖說大家都差不多一樣
每回見面 你的話越來越滔滔不絕
牢騷發膩了 就聊聊回憶
只是把我和不知道是誰給搞混了
說些這個那個的 陪了你好久好久
這種時候也幾乎都點 肉餡餅和蘇打水
簡直就像是來跟某人約會呢
可是 我突然意識到 像這樣子
在你人生重要的轉捩點 一定有我的存在
隨著彼此年齡漸長
反而比當初 更加親近得多呢
說來有點可笑呢 我現在想著
該不會可以和你重新來過吧 |
09. 黄昏迄
作詞・作曲:さだまさし / 編曲:服部克久
海を見下ろす丘の上は
何時でも向い風が吹いて
空と海の青と思い出とが一列に並ぶ
君が愛していた仔犬は
あれから大きく育って
今僕の側で一緒に海鳴りを聴いてる
黄金色の波の上を帆影がひとつ
ふたつ港へと還ってゆく
昔君と約束していた
二人して年老いたならば
世界中を船で廻ろうと
飽きる程一緒に居ようと
突然に海に帰った君を
追いかけて僕の心が鴎になって舞い上がる
黄昏迄風に吹かれたい
ぬくもりを懐かしむ様に
寄せて返す波を見ていたい
いつまでも漂いたい
黄昏迄海を見ていたい
ぬくもりを懐かしむ様に
寄せて返す君を見ていたい
いつまでもいつまでも |
09. 至黃昏
中譯:Orika
在俯瞰大海的山丘上
無時無刻都是迎面吹來的海風
天空、大海的湛藍和回憶 排成一列
你心愛的那隻小狗兒
在那之後長成了大狗
此刻正在我身邊和我一同聽著海鳴
金黃色的波濤之上 一艘帆影
各自歸航到分開的兩座港口去
以前和你約定過
等我倆老了之後
要乘船環遊世界
要一直廝守到膩
我的心追著驟然回到大海的你
變成海鷗 飛上天際
只想任風吹拂一直到黃昏
彷彿還眷戀著溫暖一般
只想望著忽遠忽近的浪花
漂漂盪盪到永遠
只想望著大海一直到黃昏
彷彿還眷戀著溫暖一般
只想望著忽遠忽近的你
直到永遠 直到永遠 |
10. 小夜曲
作詞:さだまさし / 作曲・編曲:服部克久
あはれ宙空に 月影冴え
寂黙に染む 仄き片恋
★ 其は遥けき 愛し人へ
実に幽けく 独奏ける小夜曲 ★
今宵 淡き星に言伝てむ
寄る辺無き想ひを 聞こし召せ
我が心は 永遠に変らじ
★ Repeat |
10. 小夜曲
中譯:Orika
嗟乎虛空 月影澄澈
寂黙暈染 隱微單戀
★ 致其遙遙 眷愛之人
實為幽幽 獨奏小夜曲 ★
今宵 語寄暗淡星子
無所依憑之念想 懇請諦聽
吾心 亙久不渝
★ Repeat |